2025年5月5日〜9日のドル円相場分析と今後の展望
2025年5月5日から9日までの週において、ドル円相場は全体としてドル高・円安の流れが継続し、一時146円台まで上昇した後、145円台半ばでの推移となりました。この期間は米英貿易協定の合意や米中貿易交渉への期待感が市場を支配し、テクニカル的には21日移動平均線を下支えに堅調な推移を見せています。本レポートでは、この期間のファンダメンタル要因とテクニカル指標を分析し、今後の相場展開について考察します。
ファンダメンタル分析
米英貿易協定の合意とその影響
5月8日にトランプ米大統領が米英貿易協定の合意を発表し、これが市場心理を明るくする要因となりました。これはトランプ政権発足後初の貿易協定合意であり、市場ではその他諸国との交渉の行方にも期待感が広がりました。この動きを受けてドル買いが優勢となり、円安進行の要因となりました。
米中貿易交渉と関税政策
トランプ大統領は米中貿易に関して「交渉次第で対中関税を引き下げる可能性」を示唆し、市場は貿易摩擦の緩和を期待する動きを見せました。この発言を受けて円安傾向が継続しましたが、5月9日には翌日からの米中貿易交渉を控えた警戒感から相場の上値が重くなりました。
こうした関税懸念の緩和は安全資産としての円の魅力を薄れさせ、5月に入って円は対ドルで2%下落し、ボラティリティも低下しています。
金融政策の差異
この週には米FOMCが政策金利を据え置き、英中銀が利下げを実施するという金融政策の差異が見られました。この金利差はドルを支える要因となっています。また、パウエルFRB議長の会見ではトランプ氏の利下げ要求には動じない強い姿勢が示され、これもドル高基調の継続に寄与しました。
テクニカル分析
移動平均線の状況
ドル円相場の主要な移動平均線は以下の通り
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200日移動平均線:149.68
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100日移動平均線:150.49
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21日移動平均線:143.22
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10日移動平均線:143.92
現在値(145.31)が主要な短期移動平均線を上回っており、特に21日線にサポートされた形となっているため、目先は堅調な推移が見込まれます。
一目均衡表
一目均衡表では以下の通り
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雲の上限:150.66
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雲の下限:147.91
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転換線:144.08
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基準線:144.08
現在値(145.31)は転換線と基準線を上回り、雲の下方に位置していることから、中期的には雲の下限である147.91を目指す展開が予想されています。引用先:https://fx.minkabu.jp/news/332847

5月のCPI指標の発表によって上昇のきっかけになる場合もあるワン!
今後の相場展望
短期的見通し
直近の値動きから見ると、ドル円は146円台に乗せる場面があったものの、146円台では伸び悩む傾向が見られます。目先は21日移動平均線(143.22)をサポートとして、145円〜146円のレンジでの推移が予想されます。
ただし、5月10日(土)からの米中貿易交渉の結果次第では、相場が大きく動く可能性もあるため注意が必要です。

米中貿易の進展によっては月曜日に窓開けスタートですかね・・
今のところ、トランプさんは80%が妥当だと言っていますが・・・
まとめ
2025年5月5日から9日までの週のドル円相場は、米英貿易協定合意や米中貿易交渉への期待感を背景に、ドル高・円安の流れが継続しました。テクニカル分析からは、21日移動平均線をサポートに堅調な推移が見込まれる一方、146円台での上値の重さも見られました。
今後の相場展開としては、短期的には145円〜146円のレンジでの推移が予想されますが、米中貿易交渉の結果次第では大きな変動の可能性もあります。中期的には147円台から150円台を目指す上昇の可能性が高いものの、政治的・経済的不確実性に留意する必要があります。

来週は米中貿易交渉の結果や米CPIでまたまた乱高下のニオイがプンプンしますね
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